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【ぴいぷる】注目の若手陶芸作家・田村星都さん、一子相伝の難技法 気鋭の四代目が描く完成形とは… (1/3ページ)

 息を凝らし、一点を見つめ、筆を運ぶ。流れるような筆致の末のでき映えを間近にすると、誰もが目をこらし、ため息をつきたくなる。

 九谷焼伝統、毛筆細字。この技法を受け継ぎ、新たな世界に挑む注目の若手作家だ。

 文字は細かいもので幅1ミリほど。描かれるのは万葉仮名の万葉集や古今集、新古今集など和歌が多いが、英語で横書きした英国の童謡「マザーグースの歌」もある。

 毛筆細字は明治時代にさかのぼり、星都さんの曽祖父・金星さん以降、田村家一子相伝の技法として現在に至る。

 「用いる黒絵の具はマンガン系なので滑りが悪いんです。そこで普通の書のように上から下へ、右から左へと書かずに、その逆に筆を動かします。そうした書き方でありながら、書き上がったときには流麗な書体になっていないといけない。曽祖父は(師匠から受け継いだ技をさらに磨き)それにより適した書き方と書体を生み出しました。その書体が、立体に載せると一番きれいです」

 金星さんの技を継承したのは、星都さんの父で三代目の敬星さん。九谷焼は古来、分業制が特徴で、器(ボディー)、絵付け、文字を書き込む人、焼く窯元とそれぞれ別だが、敬星さんは絵付けも行い、文字と絵のバランスで毛筆細字の世界を広めた。

 星都さんはさらに一歩進め、毛筆細字、絵付け、器を作るところまで挑んでいる。

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