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加戸愛媛県前知事が語った獣医学部への思い 文科省の対応切り捨て「一定の既得権益団体の主張に偏っている」

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、衆参両院で10日、閉会中審査が開かれた。前川喜平前文科事務次官は「行政がゆがめられた」「官邸の関与がある」といい、政府側は「規制改革のプロセスに一点の曇りもない」と主張し、平行線で終わった。こうしたなか、参考人として参院に招致された元文科官僚で、愛媛県前知事の加戸守行(かと・もりゆき)氏(82)の真摯(しんし)な訴えが注目された。

 加戸氏は県知事時代の苦労として、「鳥インフルエンザ、口蹄(こうてい)疫の四国への上陸阻止、BSE(牛海綿状脳症)の日本への波及の阻止」などを挙げ、米国が国策として対応したのに比べ、「何と日本は関心を持っていただけない国なんだ」と失望したことを振り返った。

 獣医学部の地域的偏りについても、「箱根から東で8割の入学定員があり、箱根から西には2割の入学定員しかない。私学は水増し入学をするので、場合によって(箱根から東で)90%近く」「四国は空白区で、獣医師が確保できない」と指摘した。

 同県今治市への獣医学部誘致について、「10年前に愛媛県民の夢と希望と関心を託してチャレンジした」「特区申請をしてから何回も門前払いを食らった。一番強い反対は日本獣医師会だった」「厚い岩盤規制ではね返されはね返され、やっと国家戦略特区で実現を見るようになった」「(前川氏の)『行政がゆがめられた』という発言は、私に言わせると強烈な岩盤規制にドリルで穴を開けたということ。『ゆがめられた行政が正された』というのが正しい」と後輩の主張に真っ向から反論した。

 そのうえで、文科省の対応について、「あまりにも硬直的だ。今大切なことは『国民が何を求め、国は何を必要とし、どの分野でどんな人材が求められているか』だ。一定の既得権益団体の主張に偏って、現状を守ろうとする動き自体が不思議だ」と切り捨てた。

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