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派遣労働者を無一文にする金正恩氏の「ピンハネ」システム (1/2ページ)

 米国務省が先月27日に発表した世界各国の人身売買に関する報告書によると、北朝鮮は5万人から8万人の労働者を海外に派遣しているが、劣悪な労働環境、長時間労働、賃金の遅配、未払いなどで、国際的な人権問題となっている。

 一方、こうした一連の問題は、北朝鮮でも広く知られるようになった。そのため、新たに労働者を募集してもなかなか集まらなくなっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

 (参考記事:ロシアW杯の裏に「残酷物語」 北朝鮮労働者が受ける虐待

 ■強制売春も

 平壌の情報筋によると、朝鮮労働党39号室系の大興(テフン)管理局に属する外貨稼ぎ機関は最近、海外で働く労働者を募集するために、公共の場所にポスターを貼り出した。ところが、応募してきたのはわずか数人だったというのだ。

 かつて北朝鮮の人々にとって、「海外組」は羨望の的だった。そのためコネを総動員し、ワイロを各所にばらまいてでも海外に行こうとする人が大勢いたが、わずか数年で状況は様変わりしてしまった。それもそのはず、口コミで悪評が広がってしまったからだ。

 海外に労働者として派遣され、帰国した人々は、まともに外出もできない隔離された空間で、厳しい監視を受けつつ1日14時間もの長時間労働に苦しめられるなどといった、悲惨な実情を触れて回った。それが、口コミ情報ネットワークに乗って広く知れ渡ってしまったのだ。

 現地ではあまりの苦しさに逃げ出そうとすれば、監視要員に捕まり、拷問されることもある。

 (参考記事:アキレス腱切断、掘削機で足を潰す…北朝鮮労働者に加えられる残虐行為

 また、北朝鮮レストランに派遣された女性が、強制売春をさせられるケースも報告されているため、特に若い女性は海外派遣を嫌がるという。

デイリーNKジャパン
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