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北朝鮮の国民1人の「命の値段」は冷蔵庫と同じ…もみ消される死亡事故 (1/3ページ)

 北朝鮮で、自動車の増加と比例して交通事故も増えていると伝えられている。

 北朝鮮の人民保安省(警察庁)は昨年12月、重大事故を3回起こしたら車を没収するという方針を示し、事故を未然に防ごうとしているが、あまり効果はないようだ。事故を起こしてもワイロやコネでもみ消されてしまうからだ。

 ■過去には橋崩壊で500人死亡も

 人民保安省が交通事故を防ごうとする努力しているとはいえ、そもそも北朝鮮当局は社会全体の安全問題に関する意識が低い。

 例えば1989年4月、高速道路の建設現場で、建設途中の橋が崩落する事故が発生した。この時、現場にいた500人が120 メートル下の川原に落下。後に韓国へ逃れた目撃者たちの証言によれば、川原には原形をとどめない死体が散乱し、救助の看護師たちが気を失うほどの地獄絵図と化したという。

 (参考記事:北朝鮮、橋崩壊で「500人死亡」現場の地獄絵図

 事故の最大の原因は、北朝鮮独特の「速度戦」といわれる突貫工事だ。記念日に合わせて輝かしい成果を出し、盛大に迎えるためという名目の下に、無理な工期や劣悪な労働環境で工事が進められ、事故が多発している。北朝鮮独裁体制が抱える深刻な問題といえるだろう。

 成果を優先する北朝鮮当局の人命軽視の姿勢に対して、一部の住民からは怨嗟の声が出ているが、独裁体制ゆえに民衆の声が反映されることはない。交通事故でも同様に、北朝鮮独特の「力学」が働くのだ。

デイリーNKジャパン
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