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大インフレ時代に踏み込んだ文“社会主義”政権 最低賃金16%超アップの波紋 (2/2ページ)

 韓国政府は今回の最低賃金アップによる、民間の人件費増は年間13兆ウォン(約1兆2940億円)程度としているが、これは最低賃金適用者に限った数字のようだ。

 韓国企業では、非正規職従業員はもとより、正規職の社員でも、簡単に解雇できる。「強力労組が許すはずはない」との意見も出ようが、韓国の労組組織率は、実は10%弱だ。

 だから中小企業経営者は「賃上げ分だけ減員」と簡単に語るのだが、実際の問題として従業員8人のコンビニで1人減員したら、もうパニックだ。残業手当の増額分の方が、解雇したアルバイトの賃金より多いということになろう。

 現実的な方途は、メーカーの出庫価格、運送費、小売価格…みんな上げることしかないだろう。結果としてウォン安になり、輸出競争力が高まるかもしれない。

 与党系のハンギョレ新聞(17年7月17日)は「仕事帰りにキムチチゲが食べられる バイト労働者にようやく笑顔」と、はしゃいだ紙面をつくっているが、ほどなく「あれ、キムチチゲが大幅値上げ」の記事を載せることになるだろう。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ)1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。

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