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雇用確保の実績が上げられず…連合、民進離れと政権接近のウラ (1/2ページ)

 連合の神津里季生(こうづ・りきお)会長が安倍晋三首相と会談し、専門職で年収の高い人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」について、働き過ぎを防ぐ対策を手厚くする修正を求めた。安倍首相は条件を受け入れたことで、高プロに強く反対してきた連合が容認に転じる方向だという。このタイミングで政権と連合が接近した背景を考えてみたい。

 高プロの対象となる人は、特定高度専門業務(金融商品の開発業務、ディーリング業務、アナリスト業務、コンサルタントの業務、研究開発業務などを厚労省省令で規定)に従事し、使用者との合意で職務が明確に定められている。

 賃金額は平均賃金額の3倍を相当程度上回る水準以上で、具体的には年収1075万円以上を想定している。これらの人には、労働時間に関する規定が適用されず、残業という概念がなくなる。

 国税庁の2015年度民間給与実態統計調査によれば、この水準に入るのは全体の4%程度である。しかも、この数字は、会社役員をも含む数字であるので、労働者に対する割合はもっと低くなるだろう。年収基準は今後引き上げられるだろうが、平均賃金額の3倍を上回るという法律で規定されている基準がある。名目的な金額は引き上げられても、実質的に一部の高額賃金サラリーマンであるのは変わらない。全体に占める割合も今とさほど変わらず、数%程度であろう。

 それにも関わらず、一部マスコミではあたかもすべての労働者に適用されるかのような報道ばかりだった。「残業代ゼロ」とのマスコミのネーミングで、正しく問題を認識できない人が多いのだ。

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