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名目ゼロ金利を問題視する「債券村」の人たち デフレ完全脱却まで我慢すべき (1/2ページ)

 国債の金利を日銀が抑え込んでいることで、「長期金利が経済の体温計としての指標性を失った」などと報じられている。

 これは、典型的な「債券村」の話だ。つまり、金融機関の債券部門の声をマスコミは拾っているだけだ。

 「債券村」の意見は、日本経済を代表するものではない。「失われた20年」といわれるデフレ期間に、日本は世界でほぼ唯一、名目経済が伸びず、失業率が高止まりしてきた。

 この間、日本経済は最悪の状態だったが、金融機関の債券部門は、金利が傾向的に低下する局面で労せずして債券売却益を享受してきた。このため、金融機関内で稼ぎ頭となって発言力を増し、社内ポジションは向上した。「債券村」にとってはデフレ期こそ「黄金期」だったといえる。

 ところが、名目金利はほぼゼロになってしまった。日銀は国債を購入することで量的緩和を行い、名目金利はゼロのままであるが、インフレ予測を高めることで実質金利をマイナスにしている。

 デフレが継続していれば、名目金利はゼロのままで、いわゆる「流動性の罠」状態となる。日銀の量的緩和は、実質金利をマイナスにすることに意味があるが、「債券村」の住民は名目金利にしか注目せず、ゼロ金利になっているのは日銀のせいだと思っている。

 たしかに、日銀の国債購入で名目金利が抑えられたが、日銀が国債購入をしなくても流動性の罠状態では名目金利はゼロのままだ。ところが、市場に流通する債券の「玉」が少なく、商売あがったりの「債券村」は日銀に八つ当たりする。

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