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刑法犯「戦後最少」ペースの背景に失業率低下 経済政策で社会も安定 (1/2ページ)

 警察庁のまとめで、今年1~6月に認知した刑法犯の件数が、戦後最少のペースとなっていることが分かった。特に凶悪犯や窃盗犯などが減少傾向だが、その理由は何か。

 結論からいえば、アベノミクスの第1の矢で金融緩和したために、雇用環境が大きく改善した。犯罪率の低下はこの恩恵である。

 金融政策は金融環境を変え、モノやヒトへの投資、つまり設備投資や雇用を誘発する。これらは長期的な計画に基づくので、環境変化では一時的でなく継続的なものが求められる。このため、金融政策は確固たる方針で継続してやることが重要だ。アベノミクスの金融緩和によって、就業者数は200万人程度増加し失業率は3%程度まで低下した。

 なお、インフレ目標については、世間でやや誤解がある。一般的には雇用の増加に伴いインフレ率が上がる傾向があるため、インフレ目標は過度な雇用を作ろうとしてインフレ率が上がりすぎるのを防ぐ役割がある。金融緩和によって失業率が低下する中、インフレ率が上がらないのは、金融政策としてはそれほど失敗ということではない。

 この意味で、最近「インフレ目標を達成できないのは金融政策の限界だ」という話が一部マスコミで聞かれるが、インフレ率の動きの原因をよく確かめる必要がある。原油価格や消費増税の影響が残っている間は、インフレ率が高くならないこともあり、すべてを金融政策に押しつけるのは間違いだ。

 金融緩和の結果、雇用が増加すると、社会安定につながることが多いと筆者は予測してきた。失業率の低下と自殺率の相関はよく知られている。これと同様に、失業率の低下は、犯罪率の低下とも相関がある。つまり、職が得られれば、経済要因の自殺は減り、経済要因の犯罪も減るのだ。こうしたことは、過去のデータから容易に推測できるので、金融緩和すれば、自殺率や犯罪率は減少すると予測できたわけだ。

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