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ペットが危ない?女性死亡のマダニ感染症、専門家「ワクチンや特効薬はない」

 野良猫に噛まれて女性が命を落とす前代未聞の事件が起きた。実はこの猫、殺人ウイルスに感染しており、女性は噛まれた傷口からウイルスが侵入、重篤な症状に陥ったという。かわいいからといってむやみにあやしたりすると、とんでもない事態になりかねない。

 厚生労働省によると、女性は西日本に在住する50代で、昨年夏、弱った野良猫を動物病院に連れて行こうとした際、手をかまれて発症、約10日後に死亡した。残っていた組織を検査したところ、今年初めにウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」だったことが判明した。

 感染症の専門家がこう説明する。

 「SFTSは主にマダニが媒介し、6日から2週間ほどの潜伏期間を経て発症する。最初は発熱、だるさを感じ、吐き気などの症状が出る。体調などの個人差もあるが、重症化すると死亡する場合がある。解熱剤などを投与するなど対症療法しかなく、ワクチンや特効薬はない」

 マダニから人が直接感染して死亡するケースは2013年に初めて確認されて以降、266人の患者が報告され、うち57人が死亡。厚労省では、哺乳類から人に感染したとみられるのは世界初のケースとしている。

 滅多にないことだとしても気になるのは、身近な猫とマダニの関係だ。

 先の専門家は「マダニは比較的涼しく標高の高い地域を好むが、全国各地に広く分布する。猫やタヌキ、キツネなどを宿主としているため、むやみに小動物に触らないこと」と忠告する。

 仮にペットとして飼っている猫を外で遊ばせた場合、SFTSのウイルスを持つマダニに噛まれたり、そのマダニを体に付けて家に持ち込んだりしないともかぎらない。ダニ駆除剤を施すなど予防を徹底し、疑いがあれば動物病院を受診することだ。

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