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【国防最前線】武人の“矜持”までも崩壊させかねない日報隠蔽問題 統幕監部への不信感は誰を利する? (1/2ページ)

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 陸海空の自衛隊が、力を合わせることを阻みたいのは「意図的な勢力」と、「本当に恐れている人々」がいる。「関東軍を思い出す」という記憶、あるいは伝聞による印象が日本には根強くある。

 しかし、戦後の占領政策を経て、警察予備隊、そして自衛隊となり今日に至るプロセスで、わが国の「実力組織」は良くも悪くも変質した。口の悪い人は、今の制服組幹部を「官僚自衛官」などという人までいる。

 戦後教育の申し子たる「現代っ子」「新人類」「バブル世代」「ゆとり」…。そうした影響を受けているのは自衛隊も同じだ。「軍人勅諭」「戦陣訓」などの内容を知っている現役はほとんどいない。むしろ物足りないくらいである。

 それでも、武人としての魂を保ってきたのは、自衛隊で続けてきた教育のなせる業なのであろう。

 しかし、南スーダンPKO(国連平和維持活動)部隊の日報隠蔽問題は、その武人の矜持(きょうじ)までも崩壊させかねない。

 問題の発端は、日報に「戦闘」の言葉が記されていたことが「PKO5原則」に反する、ということであった。

 国会答弁では、法的な用語として「衝突」と表現され、国と国との戦いではないと整理された。だが、日報には「戦闘」と記述されていたことで野党の攻撃を受けたため、河野克俊統合幕僚長が「戦闘」という表現を使う場合には注意するよう、現地部隊に指示するに至った。

 これは尋常ではない。現場の隊員たちが、国会を「忖度(そんたく)」して文言を考える、またそのことで頭を悩ませるなどあってはならないことだ。統幕長も「苦渋の指示」であったことは疑いようもない。

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