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時代に恵まれなかった「不運の国産機」 輸送機・救難機基本操縦練習機「T-400」 (1/2ページ)

 航空自衛隊では、輸送機や救難機のパイロットを育てるために、専用のジェット練習機「T-400」を保有している。1994年から計13機を配備し、すべて美保基地(鳥取県)にある第3輸送航空隊第41教育飛行隊で運用している。

 この機種が選ばれた理由の1つは並列座席型のコックピットだからだ。実際の輸送機と同じ運航形態も学ぶことができる。

 もともと軍用機として開発されたわけではない。米ホーカー・ビーチクラフト社がビジネスジェットとして販売していた「ビーチジェット400」がベースだ。

 同機の誕生経緯は少々複雑で、もしかしたら、国産機となっていたかもしれない。

 戦後初の日本国産旅客機として「YS-11」が誕生した。これを契機に、日本の航空産業は盛り上がりを見せつつあった。この流れの中で、三菱重工業は、ターボプロッププロペラ機「MU-2」を開発し、1963年に初飛行に成功した。空自や陸上自衛隊で救難機や連絡・偵察機として導入されただけでなく、民生機バージョンは、米国での販売も好調だった。

 そこで、次のステップとして、小型ジェット機の開発に着手した。こうして誕生したのが「MU-300」だった。社紋を元に「ダイヤモンド」のニックネームを与え、日本製、三菱製を前面に打ち出したPRを展開した。81年にFAA(米連邦航空局)から型式証明を取得し、販売を開始した。

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