加計問題で「悪魔の証明」求めるメディア 筋違いの首相会食批判も懲りずに「1月20日問題」追及 (2/2ページ) 高橋洋一 日本の解き方
本来の議論であれば、こうした「ないこと」の証明を行うのは困難である。「否定する者には、挙証責任はない」のだから、追及する側が「行政がゆがめられた」ことを証明するのが本来の議論である。筆者は、国会においても、こうした議論を筋道立てて堂々と主張すればいいと思っている。
しかし、一部メディアは、安倍首相が加計学園理事長と何回食事したとかを指摘し、あとは依頼があったはずという推論だけで、「行政がゆがめられたはずだ」という論法だけである。そして、それに関する説明がなされていないと主張し、「行政がゆがめられていない」ことの挙証責任を、否定する者に求めてしまっている。
さらに、この食事について、利害関係者との会食などを規制している大臣規範との関係を問題視するメディアも出てきている。今回の特区では申請が可能になるだけで認可は別である。この程度のことで、大臣規範でいうところの関係者になるかどうか。
いずれにしても、閉会中審査では、挙証責任がひっくり返ってしまったが、政府側の説明は「ないこと」を証明した。だから冒頭の一部メディアの報道になった。
ただ、これで終わりではない。安倍首相の「(加計学園の獣医学部新設計画の申請を)今年1月20日まで知らなかった」という発言で、再び「ないこと」の証明を求められているからだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)