記事詳細

北朝鮮の留学生が怯える「恐怖の夏休み」…家族と生き別れの例も (2/2ページ)

 ■一連の日程の中でもっとも重要なものは「大論争」と呼ばれるものだ。

 「思想的に問題がある」と見られた人物を壇上に立たせ、他の学生に徹底的に批判させるというものだ。その対象は、国家保衛省(秘密警察)が常日頃の監視の結果に基づき、あらかじめ選定する。こうなれば大学に戻れないのはもちろん、その後の出国も困難になる。ひどい場合には収容所に送られるかもしれず、人生は終わったも同然だ。

 国の未来に重要な貢献をするであろう留学生に学業の放棄を強いるのは、当局がいかに彼らを危険視しているかの表れだ。極端な例だが、かつてソ連の軍事大学で学んだ北朝鮮留学生らが、帰国後にクーデターを起こそうとしたケースもある。もちろん、その企みは「血の粛清」で幕を閉じた。

 (参考記事:同窓会を襲った「血の粛清」…北朝鮮の「フルンゼ軍事大学留学組」事件

 ■当局の都合で、勝手に転校させられることもある。

 別の情報筋によると、遼寧省丹東にある唯一の4年制総合大学にはかつて10数人の北朝鮮出身の学生がいたが、昨年春に急に姿を消してしまい、学校に来なくなってしまった。ある学生は、大連の大学に転入させられたという。

 北朝鮮当局は「大学のレベルが低いから」という言い訳をしている。しかし、本当の理由は別のところにあるようだ。

 情報筋によると、この大学の韓朝学院(韓国朝鮮学部)は、朝鮮語ではなく韓国語を教えるようになり、教員も韓国人に入れ替えられ、韓国の大学と姉妹提携を結ぶなど、韓国との交流を進めた。北朝鮮当局は、留学生が韓国文化に染まってしまうことを恐れたものと思われる。

 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

 しかし転校させたところで、韓国人留学生のいない大学など中国にはほとんどない。

 北朝鮮留学生が姿を消した時期が、浙江省寧波の北朝鮮レストランの従業員が集団脱北した後であることを考えると、やはり脱北防止など、別の何らかの理由によるものであると考えた方が自然だろう。

デイリーNKジャパン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース