記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】輸入牛肉のセーフガード発動は日本にとってチャンス 米国との交渉も有利に運べる (1/2ページ)

 政府は1日、米国産などの冷凍牛肉を対象に緊急輸入制限(セーフガード)を発動した。

 セーフガードとは、国内産業に大きな損害を与えるのを防ぐため、特定の農産品や工業品の輸入量があらかじめ決めた以上に増えた際に、一時的に関税を引き上げたり、輸入数量を制限したりする措置である。緊急避難的なものとして世界貿易機関(WTO)の協定で認められている。

 牛肉では、輸入量がセーフガード発動基準数量を超える場合には、日本は関税率を38・5%から50%へと引き上げることが可能となっている。セーフガード発動基準数量は、四半期の輸入量の増加率が、前年同期比で17%を超えた場合とされている。

 日本の牛肉の輸入先は5割がオーストラリア、4割が米国である。オーストラリア産牛肉が干魃(かんばつ)の影響で値上がりし、4~6月の米国産などの輸入量が基準を上回ったために、セーフガードが発動された。

 関税引き上げの対象となるのは、米国産のほか、ニュージーランド産やカナダ産の冷凍牛肉となる。というのはオーストラリア産は、日豪経済連携協定(EPA)により、対象外となるからだ。

 米国としては、今回のセーフガード措置は2018年3月31日までとはいうものの、他国の干魃が原因で、自国産牛肉の日本での関税が上がるというのは納得できないだろう。

 日本側のセーフガード措置について、米国食肉輸出連合会は「米国の牛肉生産者に悪影響があるだけでなく、日本の外食産業にも重大な影響を及ぼす」と懸念する声明を発表した。また、パーデュー米農務長官も「日本との農産物に関する重要な貿易関係を損なう」と述べている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう