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【高橋洋一 日本の解き方】いまこそ国債を増発すべきだ 本格的な賃金上昇には不可欠、臨時国会で20兆円大型補正を (1/2ページ)

 本コラムで何度も強調してきたが、財政出動への対応や日銀の金融緩和による国債の「玉不足」解消などのために国債増発が必要だ。ただし、アベノミクスは2年目以降、財政は中立か緊縮気味で推移している。国債増発に踏み切ることは、政治的にも難しいのだろうか。

 金融市場における国債の玉不足という指摘は、一般には理解しにくい。というのは、メディアがこれまで「日本の財政は悪い」、つまり国債が多すぎるという財務省に都合のいいキャンペーンが張られ、人々が飼い慣らされてしまったからだろう。

 筆者はいろいろなところで話をするが、「国債1000兆円、国民1人あたり借金800万円」というフレーズは、それほど経済を分かっていないような人にも刷り込まれているのを感じる。国債増発に抵抗する財務省と、それに乗ってきたメディアのために、国債増発が政治的に難しい面もあるのだ。

 今の経済状況では、インフレ目標2%は達成しにくい。失業率が構造失業率(これ以上下がらない限界の失業率)の2%半ばにも届かないことを意味しており、構造失業率が達成されないと人手不足は本格化せず、賃金の上昇も一部の業種にとどまり、全面的な展開になりにくい。本格的な景気回復はまだまだというわけだ。

 失業率は3%を切り、有効求人倍率もすべての都道府県で1を上回り、正規雇用の有効求人倍率も1を上回るなど、雇用環境は過去のどの政権よりも成果を出している。これが、自殺者数や犯罪などの減少につながり、この意味で経済政策の及第点は取っているが、今一歩景気回復がすべての人に実感できないのは、インフレ目標と構造失業率の達成に至っていないからだ。

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