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【高橋洋一 日本の解き方】いまこそ国債を増発すべきだ 本格的な賃金上昇には不可欠、臨時国会で20兆円大型補正を (2/2ページ)

 こうした状況はGDPギャップ(潜在GDPと実際のGDPの差)で確認できる。内閣府や日銀は、GDPギャップを算出しているが、それらによれば、現時点でGDPギャップはほぼゼロとしている。もっとも、この場合、潜在GDPの数字が問題である。経済学では、潜在GDPはこれ以上下げられない構造失業率に対応している。しかし、内閣府も日銀も過去のGDPから潜在GDPを推計しているために、構造失業率に対応せず、それより過小推計になっている。

 そこで、GDPギャップの過去の数字から、インフレ目標2%、構造失業率2%半ばを達成するために必要なGDPギャップを計算すると、プラス4~5%となる。そのために必要な有効需要は25兆円程度である。財政出動には1を少し上回る乗数効果(国民所得がより増えること)があるので、財政出動に換算すると20兆円程度となる。逆にいえば、この程度の財政出動をしないとインフレ目標、構造失業率は達成できない。

 財政政策は、2014年4月からの消費増税で逆噴射し、それでインフレ目標、構造失業率の達成が遠のいた、そのツケを今こそ払うために、秋の臨時国会で国債増発による大型補正予算が必要であり、安倍改造内閣に求められている。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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