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【菊池雅之 最新国防ファイル】「撃ちっぱなしが可能」な中距離多目的誘導弾 命中見届ける前に現場から離脱、格段に向上した運用効率 (1/2ページ)

 陸上自衛隊の普通科(歩兵)連隊には、小銃を主とした武器として戦う小銃小隊を中核として、「迫撃砲小隊」「通信小隊」「施設作業小隊」などが編制されている。こうした任務別小隊のなかに、敵の戦車や装甲車と戦う「対戦車小隊」がある。

 この部隊は、誘導弾(ミサイル)を配備している。2009年度から調達が開始された最新式のものが「中距離多目的誘導弾」である。部内では、略して「ちゅーた(中多)」と呼んでいる。1個小隊に、中多は4基配備されている。

 これまで配備してきた誘導弾は、車両に積載し、必要となったときに、降ろして使っていた。だが「中多」は、高機動車の後部に発射基を搭載し、そのまま射撃ができるようにした。これにより、速やかに展開し、発射後はすぐに離脱できるようになった。

 似たような車両搭載型誘導弾として、96式多目的誘導弾というものがあるが、こちらは、発射基の他に、レーダー車など6つの車両が一緒に行動する大規模展開が必要であった。一方、「中多」は1つの車両ですべてまかなえるようにしたため、運用効率は格段に向上している。

 発射基およびシステム1セット当たりの価格は約4億円。発射基には最大で6発の誘導弾が装填(そうてん)できる。誘導弾の直径は約14センチ、全長は約1・4メートル、重量は26キロと小型である。

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