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北、計画公表で脅威演出? 狙いは戦略爆撃機の飛来阻止

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の米領グアム沖へのミサイル発射計画について、米国や韓国では「米国の行動を見守る」との金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の発言通り、当面、見送るとの見方が強い。一方、米韓演習に反発し、非難のトーンを高めていくとみられ、米韓両軍は新たな軍事的挑発への警戒を維持している。

 朝鮮中央テレビは15日、金委員長が朝鮮人民軍戦略軍司令部で発射計画の報告を受ける様子を報じた。横のモニターにはグアムのアンダーセン空軍基地の衛星写真が映し出されていたが、米政府系メディアは少なくとも6年前に撮影されたとの分析を示した。2012年の工事で消えた緑地や15年に取り壊された建物が写っていたためだ。

 古い映像を前に、本気で作戦を協議するとは考えにくい。北朝鮮はミサイルの経路や飛行距離まで詳細に報じたが、米側に「撃墜してくれ」と言うようなもので、計画公表は脅威の「演出」にすぎないとの見方が米韓で上がっている。

 なぜ米側の猛反発を招く計画をわざわざ公表したのか。戦略軍は声明で、米軍がグアムから頻繁に戦略爆撃機を韓国に飛来させていることに対し「実際的行動の必要」があると主張した。爆撃機は即、対北先制攻撃に切り替えられることを示威する象徴であり、計画はそれに対する牽制(けんせい)だと明言している。

 米軍が新たに朝鮮半島周辺に戦略爆撃機や原子力空母など、戦略兵器を展開するかが、北朝鮮の行動を読むポイントとなりそうだ。

 トランプ米大統領は計画の保留を「賢明な決定」だと評しつつも軍事的圧迫を緩めておらず、北朝鮮が日本海などでの潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試射など、別の挑発に踏み出す可能性は否定できない。

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