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【高橋洋一 日本の解き方】米国債保有を政治利用できるか 「売却でドル暴落」は損するだけ、資金の出し手は弱い立場の現実 (1/2ページ)

 6月末の米国債の国別保有額で中国が9カ月ぶりに日本を抜いて首位になったと報じられた。

 いわゆる外貨準備について理解するために、まず国際収支について復習しておこう。複式記帳になっているので、経常収支黒字(赤字)は必ず、外貨準備の増減を含む広義の資本収支赤字(黒字)に等しくなる。

 これで、経常収支黒字は対外資産の増加の源であることがわかる。原則として、累積経常収支黒字が対外純資産残高になるのだ(ただし資産のキャピタルゲインを除く)。

 対外純資産のうち、政府部門または中央銀行が持つのが、広義政府部門の対外準備資産であるが、そのうち外貨準備といわれるものは、輸入代金の決済、対外債務の返済のほか自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ貿易等の国際取引を円滑にするために保有されている。

 このように、外貨準備は、為替レートの急変動を防ぐためにいざというときに為替介入する目的もあるので、いつでも売却可能な流動性を持つ必要がある。また、国の輸入代金決済や短期債務返済のためにも外貨準備が使われることもあるので、やはり流動性がポイントになる。具体的には換金容易な短中期債券で保有することが多い。

 こうしたことから、流動性のほか、輸入代金や短期債務の決済で使われる通貨であることが外貨準備の要件となる。

 国際決済銀行(BIS)が公表している通貨別の売買シェアを見ておこう。世界取引のうちドルは44%、ユーロは17%、円は11%。これが世界のトップ3だ。それ以下は、英ポンド6・4%、豪ドル3・5%、カナダドル2・6%、スイスフラン2・4%、中国元2%、スウェーデンクローネ1・1%、メキシコペソ1・1%となっている。

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