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「金塊買って」新たな詐欺にご注意! 高齢者を標的、都内で被害1億円 金販売会社「被害者は分かりにくい」

 高齢者に金塊を購入させ、それをだまし取る新たな手口の詐欺が東京都内で確認され、警視庁が警戒を強めている。詐取された金塊は計1億円相当に上っており、同庁の担当者は「買い取り業者に転売して、手っ取り早く大金を得るためだろう」と分析し、注意を呼び掛けている。

 警視庁によると、金塊の購入を持ち掛ける詐欺は3月から4月にかけて3件あり、被害者は70~80代の男女3人。いずれも最初は親族を装って電話をかける「おれおれ詐欺」で現金をだまし取ると、警戒されていないとみて金塊購入を切り出す手口だった。

 目黒区に住む70代の女性の場合は4月、息子のふりをした男から「仕事の契約書類をなくした」と電話があった。自宅に来た同僚を名乗る男に現金を渡すと、再び男から電話があり、さらに現金が必要とした上で「銀行だと一度に大金を下ろせないから、金を買ってほしい」と言われた。

 信じた女性は、指定された金販売会社の口座に5850万円を振り込み、重さ1キロの金の延べ板12本を購入。郵送で自宅に届くと、全てをバイク便業者に手渡した。

 ほかの被害者2人も同様の経緯で、それぞれ630万円相当と3900万円相当の金塊をだまし取られていた。

 警視庁はこれまでも金融機関に向け、多額の振り込みをする高齢者らに注意するよう要請。今回の事件を踏まえ、金販売会社にも、不自然な取引があれば通報を依頼したが、千代田区にある会社の担当者は「頻繁に売買を繰り返すなど、マネーロンダリング(資金洗浄)が疑われる客と違い、詐欺の被害者は分かりにくい。一般の客を深く詮索はできない」と対応に苦慮している。

 1月から7月までに都内で確認された特殊詐欺全体の被害は42億4000万円で、前年同期よりも10億円以上増えた。警視庁は「金塊詐欺が増えていくかは不透明だが、十分な対策をしていきたい。被害に遭わないため、不審な電話には出ないでほしい」と訴えている。

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