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『斬首作戦』演習疑う正恩氏 子供・女性動員で対決姿勢あおる「いかなる敵も恐れない」

 米韓合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」はコンピューターを使った図上訓練が主だ。にもかかわらず、北朝鮮が強い反発を示す背景には、金正恩朝鮮労働党委員長を含む指導部の壊滅を狙った「斬首作戦」を想定した演習だとの根深い疑心がある。

 「金正恩元帥さまがいらっしゃるからこそ、いかなる敵も恐れない」。朝鮮中央通信は21日、北朝鮮各地の少年らを集めた支持集会で、代表らがこう決意を語ったと報じた。女性団体の支持集会のもようも伝えられており、米韓演習のほか、国連制裁決議も主導したとするトランプ米政権への対決姿勢をあおり、国内の引き締めに最大限利用しようとの思惑がにじむ。

 党機関紙の労働新聞は20日、論評で「侵略の脚本を完成させるための演習は、敵対意思の露骨な表現だ」と米国を非難した。

 今回の演習は3~4月の野外機動演習とは異なり、北朝鮮が核・ミサイル攻撃を準備した際の対応をシミュレーションすることに重点が置かれている。だが、北朝鮮側は2015年に策定された「作戦計画5015」を適用しているとされる点に最大の関心を注ぐ。

 ミサイル拠点に加え、金委員長を含む政権中枢への精密攻撃を想定した作戦といわれるからだ。北朝鮮は、金委員長を指す「最高尊厳」を標的にした「斬首作戦」だと繰り返し反発を示し、北朝鮮の国連大使が今年4月、国連安全保障理事会に作戦を非難する書簡を送ったとも伝えられる。

 昨年は、演習最中の8月24日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射。建国記念日の9月9日には、5回目の核実験を強行した。米韓両軍は、今年もこの時期に何らかの軍事的挑発を仕掛ける可能性があるとみて警戒している。(ソウル 桜井紀雄)

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