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【高橋洋一 日本の解き方】まるで30年以上前の行政スタイル… 金融庁の検査局廃止は「いつかきた道」 (1/2ページ)

 金融庁が来年夏にも検査局を廃止して監督局に統合すると報じられている。

 この背景には、金融庁の考え方が従来と変わってきていることがある。それを探るには、昨年8月22日に設置された「金融モニタリング有識者会議」の議論をみるといい。これはいつものことだが、外部の有識者を使って役所の考え方を少しずつ出してゆくために審議会を利用するというのは常套(じょうとう)手段である。その意味で、この有識者会合の議論には、金融庁の考え方がにじみ出ているといえる。

 有識者会議は、6回の議論を経て今年3月17日、「検査・監督改革の方向と課題」という報告書を出している。もちろん、これは金融庁の事務方の作であり、金融庁の考え方そのものということもできるだろう。

 報告書の内容を一言でいえば、これを報じた日本経済新聞の見出しにもあった「処分庁から育成庁へ」が一番ふさわしい。簡単にいえば、金融検査をほどほどにして、対話型監督行政を重視するということだ。

 これは、検査局廃止後の金融庁組織をみればわかりやすい。現在、金融庁は総務企画局、監督局、検査局という3局体制であるが、検査局のほとんどは監督局に吸収され、総務企画局が総合政策局と企画市場局に分かれるという。

 検査局を監督局に吸収すれば、局が3つから2つに減っていいと思うのは、官僚機構を知らない人だ。局長ポストをできるだけ多くしたいというのが官僚の常であり、局長ポストは3つを死守している。

 いずれにしても、監督と検査がほぼ合体することになるので、これは従来の検査重視からの行政転換である。

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