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習体制を批判か、江沢民氏暗示のラップ物議 共産党機関紙が特集→記事撤回→当局が関連動画削除のドタバタ

 中国で、江沢民元国家主席を暗示して慕ったとみられるラップ調の歌が物議を醸している。江氏出身地の共産党機関紙が特集したが、直後に記事を撤回して当局がインターネット上の関連動画を削除。習近平指導部は現体制への批判の意味もあるとみて警戒しており、歌の規制に乗り出したもようだ。

 「情定揚州(揚州に恋して)」と題する歌は、広東省の歌手らが制作。歌詞は揚州の女性に恋に落ちたという設定だが、「彼女は大きな眼鏡をかけて」「三つの授業の代表を務めた」など、江氏の風貌や江氏が唱えた「三つの代表」思想を連想させる内容がちりばめられ、「彼女が恋しい」と歌い上げている。

 江氏91歳の誕生日の翌日に当たる18日、出身地、江蘇省揚州市の党委員会の機関紙、揚州晩報がこの歌の特集記事を掲載。その後「不真面目だった」として記事を撤回したことから、一気に注目が集まった。

 江氏は現役時代、人気はけっして高くなかったが、近年見た目が似ているとの理由で親しみを込めて「カエル」などと呼ばれ、毎年の誕生日にはカエルの写真やイラストがネット上に大量に投稿される。

 「言論統制を強める習指導部に比べれば、江氏の時代はまだ自由だった」との声もあり、江氏を持ち上げる背景には習指導部へのあてこすりもありそうだ。

 揚州晩報が掲載した意図は不明だが、「不満を持つ地方官僚が習指導部にささやかな抵抗を試みたのではないか」(中国紙記者)との臆測も出ている。(共同)

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