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【高橋洋一 日本の解き方】政府が仮想通貨発行する時代、より多くの発行益得る狙いか 日本も電子政府化を加速せよ (1/2ページ)

 バルト三国のエストニア政府が仮想通貨の発行を検討していると報じられた。

 通話・メッセージングサービスのスカイプが生まれた国としても知られるエストニアは、人口約130万人、面積4・5万平方キロの小国。面積は九州より少し大きいくらいであるが、人口は約10分の1で、福岡市と同じ程度だ。1人あたりの国内総生産(GDP)は1万7000ドル(約185万円)程度で、日本の半分以下である。

 その歴史は複雑だ。第一次大戦後の1918年にロシア帝国から独立したが、第二次世界大戦ではドイツやソ連に占領され、戦後はソ連に併合された。91年のソ連崩壊後、独立を回復し、2004年に欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟、11年にユーロを導入した。

 エストニアは電子政府化への取り組みが盛んだ。ICチップが埋め込まれているIDカードがあれば、銀行振込も選挙もできる。このIDカードは基本的に外国人は持てなかったが、これを外国人にまで拡大している。この結果、外国人がエストニアの「デジタル住民」になり、オンラインで行政サービスにアクセスできるほか、エストニアにある会社を運営し起業できるようになっている。138カ国から2万2000人がデジタル住民に登録しているという。

 電子政府の延長で、「エストコイン」(estcoin)という仮想通貨を発行し、デジタル国家建設のために使うともしている。これはICO(Initial Coin Offering)といわれるもので、仮想通貨を使った資金調達である。株式の代わりに仮想通貨を発行するのだが、国であるので、政府通貨発行によって通貨発行益(発行額から必要経費を控除したもので、ほぼ発行額)を財政支出に使うのと、基本的には同じである。

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