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【高橋洋一 日本の解き方】鳥貴族の値上げやイオン値下げ、個別物価と混同される一般物価 中期的な物価目標と関連は薄い (1/2ページ)

 全品280円均一の焼き鳥チェーン、鳥貴族が10月から298円に値上げすると発表した。人手不足による人件費増や、材料費などのコスト増が要因とのことだ。こうした動きがある一方で、小売り大手のイオンや西友、家具販売のイケアが値下げを打ち出し、2%の物価目標達成は困難だとの論評もある。

 こうした報道では、「個別価格」と全体の「一般物価」がしばしば混同されている。つまり、雇用改善などを受けた値上げや消費の伸び悩みを受けた戦略としての値下げなど個別企業の動きと、マクロ経済を反映した物価全体の動きについて、区別されていないのである。

 個別価格は、それぞれの商品に付けられている価格であり、誰でもイメージできるだろう。

 一般物価については、例えば消費者物価指数が典型例であるが、イメージが難しい。それぞれの個別物価を指数化して、各商品の加重平均ウエートで平均を取るという作り方だ。

 この手法だけを見れば、各商品の積み上げによって一般物価が算出されるので、ある商品の個別価格の上昇がそのまま一般物価に反映されると思ってしまう。しかし、そうならないところが、マクロ経済学のポイントである。

 これは、ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏が指摘した「スイッチ効果」と呼ばれる。ある財の個別価格が上昇すると他の財を節約し、その消費が減少することでその財の個別価格が低下するので、結果として一般物価には変化がないというものだ。

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