記事詳細

【大前研一 大前研一のニュース時評】北ロケット提供「疑惑」はウクライナだけじゃない ロシアでしか作っていない液体燃料も… (1/2ページ)

 グローバル・メディア「ニュースフィア」は先月21日、「ウクライナのロケット・メーカー、北朝鮮へのノウハウ流出を否定」と題する記事を掲載した。ニューヨーク・タイムズが先月14日に「ロケットや人工衛星の開発を手掛けるウクライナの大手企業『KBユージュノエ』が北朝鮮にICBM(大陸間弾道ミサイル)のエンジンを提供した可能性がある」と報じたことを受け、同社のアレクサンドレ・デグチャレフ社長がこれを否定したという。

 また、ウクライナのポロシェンコ大統領も調査を命じ、トゥルチノフ国家安全保障防衛会議書記はウクライナ領内の工場から流出したとの疑惑を否定する調査結果を大統領に報告した。その際、ウクライナ高官は、米メディアの報道は「ウクライナの信頼を失墜させるため、ロシアが情報操作した」と怒りをあらわにしていた。

 ただ、先のデグチャレフ社長は不正な技術移転は否定したものの、工場にある製品が複製された可能性があることは認めた。ウクライナは過去に機密性の高いソ連製クルーズミサイルの技術を中国やイラクに不正に流出させた歴史もあることから、疑念は高まっている。

 2014年、親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領追放に対し、ロシアはクリミア半島の併合などで対抗した。以降、ウクライナは政治的に混乱している。そんな中、官民ともに資金不足に陥っているので北朝鮮に手を貸す可能性もあるだろう。

 ウクライナは、かつてのソ連邦時代には核とミサイル、ロケットなどの開発拠点で、KBユージュノエはICBMの製造をリードしていた。ここ数年の国別の武器の輸出額を見ても、ウクライナは米国、ロシア、ドイツ、中国、フランス、英国、スペイン、イタリアに次いでランキングされている。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう