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中国、尖閣でのドローン映像公開 「管轄海域でパトロール」領有権主張、世論形成へ情報戦の実態

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で5月、中国海警局の公船の上空を小型無人機「ドローン」が飛行し、領空侵犯した問題で、中国国営中央テレビが撮影動画を編集した番組を放送したことが4日、分かった。中国側は国内外で領有権の主張を強めており、世論形成に向けて展開する情報戦の実態が明らかになった。

 ドローン映像は8月31日、中国国営中央テレビの特集番組「大国外交」で中国海警局の公船内の映像などとともに放送。動画サイト「ユーチューブ」の同テレビ公式チャンネルでも配信している。上空から公船を撮影したとみられ、海上保安庁の巡視船や尖閣諸島の魚釣島らしき船や島なども映り込んでいた。

 番組では、海警の乗組員が海保巡視船からの無線による警告に対応する様子も流れた。乗組員は日本語で「日本海上保安庁巡視船、こちらは中国海監編隊」と対応し、「中国海監編隊は中国の管轄海域でパトロールを行っています。貴船はわが国の管轄海域に侵入した。法規を守ってください」と主張した。

 ドローンは5月18日、尖閣周辺の領海に侵入した中国公船の近くを飛行。尖閣周辺でドローンが確認されたのは初めてで、航空自衛隊のF15戦闘機が緊急発進する事態となった。問題を受けて、海保はドローン飛行を阻止する装置の導入を検討。中国外務省の報道官は当時、記者会見で「メディアがドローンを使って空撮していた。海警局が飛ばしたのではない」と説明していた。

 中国事情に詳しい拓殖大海外事情研究所の富坂聰教授(53)は「中国側は尖閣の領有権について、日本と話し合いに持ち込みたいという思いがある。自国が管理しているという実績を積み上げ、国内外に示したいのだろう」と指摘した。

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