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【高橋洋一 日本の解き方】北暴走で円高になるワケ 市場で指摘される地政学リスクの正体は「条件反射」と「お祭り」 (1/2ページ)

 世界各地のテロや、北朝鮮の核・ミサイル問題などについて、市場では「地政学リスク」と表現され、株や為替、債券が反応することが多い。地政学リスクは中長期的な経済成長にも影響するのだろうか。

 地政学とは、地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を大きな視点で研究する学問だが、「地政学リスク」とは、そうした学問的な側面というより、市場関係者の間で、北朝鮮をめぐる軍事的な緊張関係が国際政治や国際経済にどのように影響するかという点を指すことが多い。

 典型的な例が、「中東危機があれば原油価格が上昇し、先進国経済が悪くなる」というものだ。過去の石油危機からの発想であり、ある程度説得力を持っている。

 最近であれば、北朝鮮の軍事行動の際にとりざたされる。例えば、株式相場見通しで「北朝鮮の地政学リスクが重荷になって株価は伸び悩んだ」といった具合に使われる。

 もっとも、中身をみると、単に円高になって株価が低迷しているだけのことが多い。実際、北朝鮮の軍事行動が各国の政治・経済に及ぼす影響は複雑なので、それを細かく分析するのは情報の少なさもあって、専門家でも難しい。まして、市場関係者の手には負えないものだろう。

 一方で、北朝鮮が話題になるたびに一時円高になるという傾向がある。つまり、日本の市場関係者のいう地政学リスクとは、単純に円高、それに基づく株価の低迷とみていいだろう。

 もっとも、この現象を理解することは意外に難しい。円高になるといっても一時的な動きであり、為替市場におけるノイズのようなものだ。円という安全資産への動きと説明されることもあるが、動きが永続的でないので、この説明も説得力はない。しかも、北朝鮮という日本の隣国が暴走すれば、日本経済も安泰とはいえないからだ。

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