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【高橋洋一 日本の解き方】中国共産党の企業介入の背景 一党独裁で許されない民営化、成長継続の楽観論崩れたのか (1/2ページ)

 中国共産党が、中国の大企業の経営に介入する姿勢を強めていると報じられた。

 報道によれば、共産党は3178社に対し「党組織を社内に設置し、経営判断は組織の見解を優先する」との項目を、年内に株主総会などの手続きを経て定款(会社の規則)に盛り込むよう要求したという。

 中国の会社制度は複雑怪奇だ。統計も整備されておらず、全体像をつかむのは、かなり難しい。制度上は「会社法企業」と「非会社法企業」に分けられる。数でいえば、両者はほぼ半々だが、非会社法企業のうち、基幹産業などに国有企業があり、中国の産業の中で重要な位置付けがなされている。

 国有企業の民営化がいろいろと模索されてきたが、先進国のような民営化ではなく“なんちゃって民営化”である。上場とはいうものの、株式には事実上、政府の色がかかっている。

 中国では、1990年に上海、91年に深センに証券取引所が開設されたが、社会主義下での実験的な位置付けである。そもそも中国の証券取引所では、基本的に国有企業が上場されているが、上場後も国有企業のままというのが普通である。

 国家株、法人株(国有企業が持ち合いで保有する株)など非流通株は、これまで全株流通改革の名の下に、形式的には売却解禁が進んできた。ところが、実際に非流通株主が売却解禁株を売却した比率は低く、非流通株主の上場企業への支配力はまだ大きい。つまり、株式市場は国有企業の資金調達の場ではあるが、国有企業が民営化され、民間によってガバナンスされる場ではないということだ。

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