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【大前研一 大前研一のニュース時評】泥臭さない民進・前原新代表 「国民への使命を果たす」に何か腹案あるのか聞きたい (1/2ページ)

 民進党の前原誠司新代表は1日の選出直後の決意表明で「新たな選択肢を示し、国民への使命を果たす」と強調した。

 前原さんは「いい人」だ。だが、これまで「いいこと」をしてくれたかというと、そうでもない。

 前原さんは2009年に国土交通大臣に就任した直後、八ッ場ダム(群馬)の建設事業について、「総選挙で民主党のマニフェストに書いてあることなので中止します」と明言した。しかし、その後、後継の国交大臣が再開しても、文句ひとつ言わなかった。泥臭さがない。

 翌10年の外務大臣時代には、尖閣諸島の中国漁船衝突事件の処理を間違えた。逮捕された中国人船長は粛々と日本の法律で、とやったが自民党時代の密約ではお尻ペンペンして送り返すことになっていた。「諸般の事情のため」という那覇地検の意味不明の判断で釈放されてしまった。

 前原さんのたぶん唯一の功績といえるものは、国交相時代、経営難に陥った日本航空の再生を京セラ創業者の稲盛和夫氏に託したことだろう。といっても、稲盛さんはかつて前原さんの後援会長を務めた人。身近なところから連れてきただけだ。

 前原さんは今回の代表選で「政権交代できるように(する)」と語っていたが、「民進党にもう1回政権をとってもらいたい」なんて、だれも思っていない。いま民進党に求められているのは、健全野党として徹底的に自民党や役人の悪い部分をたたいてもらうことだ。

 自民党や役人たちは、民進党が弱いから「記憶にない」だの「資料は破棄した」だのと、やりたい放題だ。自民党と役人たちを緊張させるようなチェック・アンド・バランスが必要だ。

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