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北朝鮮で待つ「拷問」と「重罰」…中国が脱北者を片っ端から逮捕

 最近、中国の公安当局に逮捕される脱北者が続出しているが、先月、吉林省吉林市と河北省秦皇島市でも脱北者12人が逮捕され、北朝鮮に強制送還される危機に瀕している。

 中国にいるデイリーNKの対北朝鮮情報筋によると、先月2日に吉林駅で脱北者7人が、14日には秦皇島市内で脱北者5人が逮捕された。いずれも車に乗って移動中だった。

 今年6月に平安南道(ピョンアンナムド)の粛川(スクチョン)郡と平安北道(ピョンアンブクト)の龍川(リョンチョン)郡に住んでいた2家族が脱北する事件が起きているが、今回逮捕された12人にこの家族が含まれているかは不明だ。

 いずれにしても、送還されれば拷問などの虐待を受け、重罰に処されるのは不可避だ。

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 人権団体は、逮捕された脱北者が北朝鮮に強制送還されることを阻止するために、様々な活動を展開しているが、最近になって困難さが増している。

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 理由のひとつは、脱北ブローカーたちが、処罰を恐れて脱北者の家族に逮捕されたことを伝えようとしないことにある。そのため逮捕者の身元がわからず、人権団体が救援活動を行えないのだ。

 ふたつ目に、中国公安当局も脱北者を逮捕したことを公にしないことが多いことがある。当局は今年4月と5月に瀋陽、青島、昆明で脱北者30人あまりを逮捕したが、発表がなかった。

 国際的な人権団体、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、中国当局が今年7月と8月に朝鮮国境に面した吉林省長白朝鮮族自治県と、ラオス国境に面した雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州で41人の脱北者を逮捕し、人数は不明だが複数のブローカーも逮捕、拘禁していると明らかにした。

 また、今年6月までの1年間に逮捕された脱北者は把握されているだけで51人だが、それ以降も脱北者の逮捕が急増していると指摘している。

 さらに、中国当局が昨年6月以降に北朝鮮に強制送還した脱北者は少なくとも37人に達するとHRWは見ている。

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デイリーNKジャパン
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