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朝鮮学校無償化訴訟、卒業生らの賠償請求認めず 東京地裁

 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外したのは違法だとして、東京朝鮮中高級学校高級部の卒業生62人が国に1人当たり10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。田中一彦裁判長は、原告側の請求を退けた。

 全国の5地裁・支部で起こされた同種訴訟で3例目の判決。朝鮮学校を無償化の対象外とした文部科学相の判断に裁量権の逸脱・乱用があったかが争点で、先行する2訴訟で結論が分かれる中、東京地裁の判断が注目されていた。

 公立高で授業料を徴収せず、私立高生らに就学支援金を支払う高校無償化制度は平成22年4月、民主党政権下で導入された。外国人を対象とした学校も、文科相が指定すれば支給対象となる。

 東京朝鮮中高級学校を運営する東京朝鮮学園は22年11月、指定を求めて申請したが、自公政権への交代後の24年12月、下村博文文科相(当時)が朝鮮学校を無償化の対象外とする方針を表明。25年2月に省令改正を行うとともに、朝鮮学校を不指定処分とした。

 高校無償化制度では、就学支援金が授業料に確実に充当されるなど「適正な学校運営」が行われることを指定要件の一つに定めていた。国は不指定の理由として、要件に適合しないことと、朝鮮学校を無償化対象外とする省令改正を行ったことを挙げていた。

 原告側は「省令改正は政治的理由によるもので、要件に適合しない具体的理由も明らかでない」として、処分は違法と主張。東京地裁の訴訟では、文科省の当時の担当者の証人尋問が行われたほか、文科省の内部資料も公開された。

 同種訴訟では広島地裁が今年7月、「支援金が授業料に充てられない懸念がある」とする国の主張を認め、原告の請求を全面的に退けた。一方、大阪地裁は同月、国の処分が「裁量権の逸脱・乱用にあたる」として取り消しを命じた。

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