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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】日本の高層ビルは安全? 世界各地で被害を生む「長周期表面波」とは (1/2ページ)

 9月14日は長野県西部地震が1984年に起きた日だ。マグニチュード(M)は6・8。内陸直下型地震で長野県・御嶽山山麓で起きた。

 死者・行方不明者29人を生んだほか、地震学にも大きな問題を提起した地震でもあった。

 それは「長周期表面波」だった。表面波とは、普通の地震波とちがって、地球の表面しか伝わらない。物理的に言えば、距離の二乗で減衰するから、普通の地震波が距離の三乗で減衰していくのとちがって、遠くまで弱まらずに伝わっていく。

 関東大震災(23年)以来、日本のビルの高さは100尺(31メートル)に制限されてきた。だがその建築制限が63年に撤廃されてから日本の多くの都市に高層ビルが建ち並ぶようになっている。

 しかし、その種の高層ビルが長周期表面波でどのくらい揺れるのかは未知数だった。遠くまで弱まらずに伝わってくる長周期表面波が高層ビルを共鳴させて大きく揺れるのではないかという心配があったのである。

 このため、村松郁栄さんという地震学者(当時、岐阜大学教授)が、この種の長周期表面波を測れる地震計を開発して、できはじめたばかりの高層ビルに設置しようとした。

 だが、どのビルも嫌がった。もし大きな揺れで被害が出たら裁判で負けるのではないか、被害が出なくてもその高層ビルが揺れたことが知られたら客商売などで不利になるのではないかと、どのビルも恐れたのである。

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