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【昭和のことば】はじまりは田中義一首相の“一言” 軽侮的に使用されていた「モガ・モボ」(昭和2年)

 あくまでも順番は「モガ・モボ」である。

 「ガールを先きにする。例へばモボ、モガと言はずに、モガ、モボという、ソコにもモダン味があるのである」(『ウルトラモダン辞典』鷲尾義直編著)。

 モガ・モボは、和製英語のモダンガール、モダンボーイの略語で、「西洋かぶれで近代的な」という意味を持たせて、軽侮的に使用されていた。

 鳩山一郎内閣書記官長が、当時はまだ一般的でなかったゴルフを愛好していたのを、時の田中義一首相が「モダンボーイ」と言ったことがはじまりといわれている。(参考『昭和ことば史60年』講談社)

 この年の主な事件は、「北丹後地方で大地震が発生(丹後地震)」「蔵相の失言をきっかけに東京渡辺銀行など諸銀行の取り付け騒ぎが起こる。金融恐慌始まる」「小田原急行鉄道、新宿・小田原間開通」「若槻礼次郎内閣総辞職。田中義一内閣成立。蔵相に高橋是清」「立憲民政党結成」「芥川龍之介服毒自殺」「アメリカのビクター社の全額出資により、日本ビクター蓄音器設立」「三越呉服店、『三越のファッションショー』開催」「初の明治節。明治神宮参拝者、昼夜で80万人」「東京に初の地下鉄、浅草・上野間開業」など。

 この年の映画は『忠次旅日記』『稚児の剣法』『角兵衛獅子』。本は、藤森成吉『何が彼女をそうさせたか』、柳宗悦『雑器の美』、芥川龍之介『河童』など。佐藤紅緑『ああ玉杯に花うけて』が『少年倶楽部』に連載開始。出生人口が、産児制限や不況の影響で大幅に減少した。

 モガの断髪、引き眉毛、短いスカート、ハイヒール。モボのセーラーパンツ、ロイド眼鏡、オールバックのヘアスタイル。それが、軽佻(けいちょう)浮薄で享楽的な若者の象徴のように見えていた。

 現代では、そのファッションセンスや小物使いが一部のファンに再認識されている。(中丸謙一朗)

 〈昭和2(1927)年の流行歌〉 「赤とんぼ」(童謡)「どん底の歌」(ロシア民謡)

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