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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】関東全域を襲う内陸直下型地震 人々の記憶に残らなかった西埼玉の被害 (1/2ページ)

 埼玉県は地震も台風の被害も少なく、自然災害が少ない県として知られている。住んでいる人も油断しているに違いない。

 たとえば首都圏に死者10万人を超える大災害をもたらした関東地震(1923年)も、埼玉県では死者数は死者全体の約2%、220人弱。それも東京に接する南部に被害が集中していた。

 だが、油断してはいけない。埼玉県でも内陸直下型地震は起きる。そのひとつが、31(昭和6)年9月21日に起きた「西埼玉地震」だ。マグニチュード(M)は6・9だったが20人近い死者を生んでしまった。

 この地震は県西部の寄居(よりい)に震源があった。震源がごく浅い直下型地震だった。

 寄居(現大里郡寄居町)は秩父山地が迫っているところだ。地鳴りが広い範囲で聞こえた。これは堆積物がほとんどない山地の地震の特徴である。山地には被害がほとんどなく、寄居の市街地は壁が落ちた程度で被害が少なかった。

 一方、埼玉県の中部や東部で人々が集まっているところに被害が多かった。被害が大きかったのは、荒川と利根川沿いの県東部の地盤が軟弱なところだった。

 揺れが大きかったところでは地面に亀裂が走り、広い範囲で地盤液状化による地下水や土砂の噴出、井戸水の濁りなどが生じた。

 そもそも西部を除いた埼玉県の多くが田んぼや湿地を埋め立てて住宅街ができている。こういった場所では液状化が起きやすい。

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