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トランプ氏「完全に破壊」発言は北朝鮮国民にどんな影響を与えているか (1/2ページ)

 トランプ米大統領は19日に行った国連総会での一般討論演説で、「米国と同盟国を守ることを迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と発言。核兵器開発を推進し、敵対的な姿勢を取り続ける金正恩体制に強く警告した。

 トランプ氏の強硬な発言は世の驚きを誘ったようだが、これはまだまだ「コケ脅し」の域を出ていない。同氏は、いくらでもタダで出来る「口撃」は得意だが、莫大な戦費を要する軍事的な「攻撃」にはなかなか慎重な人物であると筆者は考えている。

 この発言に対しては、国連総会に参加するためニューヨーク入りした李容浩(リ・ヨンホ)北朝鮮外相が「犬の吠え声」だと非難。さっそく、米朝の舌戦が激化する兆しを見せている。トランプ氏は金正恩体制を「向こう見ずで下劣だ」とも言っており、これにカチンと来た金正恩党委員長が、軍事示威で応じる可能性も小さくないだろう。

 だが、筆者はここでは敢えて、トランプ氏の「完全に破壊」発言を問題にしたい。

 仮に、日本が独自の核開発に突き進み、米国の大統領が「止めなければ完全に破壊する」と言った場合、何が起きるだろうか。一部では強烈なナショナリズムが巻き起こり、「やるならやってみろ」という声が出てくるかもしれない。しかしもう一方では、「米国と対立してまで、どうして核開発などするのか」という声も出てくるはずだ。そして、両者のうち優勢な側が政治に影響を与え、政府になんらかの選択をすることになる。

 しかし、北朝鮮の場合は違う。言論の自由のないこの国では、一般の国民が既定の政策に反対し、「核開発なんか止めよう」などと言うことはできない。言えば、秘密警察や軍隊に殺されてしまうのがオチだ。

 (参考記事:抗議する労働者を戦車で轢殺…北朝鮮「黄海製鉄所の虐殺」

デイリーNKジャパン
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