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【BOOK】『岳物語』以前を描いた椎名誠さん 「エイリアン」でひらめいた自分のルーツをたどる物語 (1/3ページ)

★椎名誠さん『家族のあしあと』集英社1300円+税

 軽妙なエッセーから私小説、SF小説、そして映像作品まで活動は幅広い。とりわけ長男、岳(がく)さんの小学生の日々から始まる私小説『岳物語』シリーズは30年以上、累計470万部を超えるロングセラー。そしてこのたび『岳物語』以前、自身のルーツをたどる新たな物語を上梓した。(文・竹縄昌 写真・酒巻俊介)

 --執筆のきっかけは

 「息子と娘の2人の子供がいて、息子は『岳物語』の岳ですが、娘はいまアメリカで弁護士をしてます。その娘がぼくの父親の写真を見たいと言ってきた。ところがぼくは父親の写真を持っていない。そこで彼女は自分で弁護士のルートやパソコンを駆使して写真を持っている親族を探し当てた。ぼくも写真を見ているうちに物語世界の着想が浮かんできました」

 --具体的にはどんな

 「『岳物語』シリーズは岳が小学校に上がる前ぐらいから書いてますが、じゃあ自分が小学生ぐらいのときどうしていたんだろう、と。それと、全く関係ない次元で、リドリー・スコットが監督した『エイリアン』を思い出したんです」

 --エイリアンを

 「リドリー・スコットが最初にあの映画を作ったとき、続編を作る気はなかったと思うんです。それが続編では自分の意図しないエイリアンになってしまった。それで彼はエイリアンがどう生まれたかに発想がいき、『プロメテウス』という映画を作った。それにヒントを得たというか、ぼくはずっと家族の物語を書いたけど、自分のことは書いていなかったと思い至ったわけです」

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