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中国5大銀が取引停止、対北制裁でトランプ氏圧力に譲歩 党大会控え習政権が重い腰上げる

 中国の習近平政権が北朝鮮に対する金融制裁に重い腰を上げた。中国の主要5大銀行が、口座開設や送金など北朝鮮との取引を停止したのだ。10月の共産党大会や、11月のトランプ米大統領の中国訪問を控え、習政権側が米政権に譲歩した形だ。

 5大銀行は、中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行、交通銀行。

 23日付の毎日新聞によると、北京市内や中朝国境に位置する遼寧省丹東の銀行支店では北朝鮮関係者の口座開設や資金送金ができず、北朝鮮企業への融資も停止されており、中国の金融機関による対北取引が全面的に凍結された可能性が高くなったという。

 ロイター通信は、中国の中央銀行である中国人民銀行が18日時点で、北朝鮮側との新たな取引を行わないよう指示する通達を国内の各銀行に出したと報じている。この日夜には習主席がトランプ氏と電話会談を行っており、中国側の対北制裁の取り組みとして説明したとみられる。

 習政権がトランプ政権の圧力に譲歩する形で、北朝鮮との全ての金融取引禁止に踏み切った背景には、10月の共産党大会を控え、米国による北朝鮮への武力行使を回避したいという事情がある。

 米国は、北朝鮮と取引を続ける中国の銀行に対する独自の金融制裁をちらつかせており、本格的に実行されれば中国経済への影響は甚大だ。

 米中関係が悪化し、11月に予定されるトランプ氏の初訪中が延期される事態になれば、「習外交の失点」として党内の反習派に足をすくわれかねない。

 習政権では各国独自の対北制裁に反対してきたというメンツもあるだけに、中国外務省の陸慷報道官も22日の記者会見で、金融取引禁止は「事実と異なる」と認めようとしなかった。ただ、いやいやながらも対北包囲網に加わったのは事実のようだ。

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