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【国を守る覚悟】教訓生かされているか 東日本大震災で「陸自の兵站組織の充実」必要性痛感、無理がある現状の人員規模 (1/2ページ)

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 東日本大震災から9月で6年半が経過した。復興が進んでいる地域もあれば、まだまだ復興半ばの地域も多くある。被災地の1日も早い復興を願うばかりである。

 当時、陸上自衛隊は未曽有の大地震・津波災害、さらに福島第一原子力発電所の事故対応に全力で当たった。当時の教訓を取り入れ、自衛隊、特に陸自として南海トラフ地震、首都直下型地震への備えは十分かどうかを考えてみたい。

 東北地方を中心に広域かつ激甚な災害となった東日本大震災は、地震・津波により沿岸部のインフラが破壊され、原子力発電所の事故も重なり、死者1万5894人、行方不明者2562人、避難者約47万人が一度に生起した戦後最大の国家的危急事態であった。陸自は海・空自衛隊とともに被災地に、5個師団、4個旅団、3個施設団等約7万人を投入し291日間活動した。

 太平洋沿岸の“まち”が水没し、がれきで埋め尽くされるなか、自衛隊は(1)人命救助・行方不明者(ご遺体)の捜索(2)応急復旧(3)避難者生活支援(4)原子力災害対処(5)日米共同作戦(トモダチ作戦)-の5つの任務を同時に遂行していた。

 私も現地を6回視察したが、現場での隊員の献身的な態度に心から敬服した。しかし、同時に派遣中3人の隊員を亡くし、撤収後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と疑わしい数人の自殺者を出してしまった。今回の過酷な派遣は隊員にただならぬ負担をかけてしまい、慙愧(ざんき)に堪えない。

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