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【昭和のことば】国家騒動のリアリティーと列島喪失の描写で大ヒット「日本沈没」(昭和48年) (1/2ページ)

 ご存じ、昭和の作家・小松左京の不朽の名作である。『日本沈没』は、この年の3月発売以来、年末までに332万部を売り切った超ベストセラーである。

 大地震によって日本列島が沈没するという大胆な発想の筋立てながら、国家騒動のリアリティーと心動かされる日本列島喪失の描写がうけ、小説、映画、ドラマとすべてが大ヒットとなった。

 この頃、実際の日本列島は、高度経済成長によるさまざまなひずみが生じ、公害問題、列島改造による地価高騰などの問題が相次いでいた。そして、第4次中東戦争に端を発するオイルショックが追い打ちをかけ、列島は混乱に陥り、出版の世界では、いわゆる「終末論ブーム」が到来した。

 この年の主な事件は、「70歳以上の老人医療無料化実施」「浅間山大爆発」「国民の祝日法改正公布。祝日が日曜日と重なる場合、翌日を振り替え休日とする」「東京都江東区、杉並区からのゴミを実力阻止。杉並区内にゴミが山積(ゴミ戦争)」「日航機、オランダ・アムステルダム上空でゲリラにハイジャック」「来日中の韓国新民党元大統領候補・金大中、東京のホテルから白昼強制連行(金大中事件)」「中央線国電にシルバーシート登場」「田中角栄首相、仏、英、西独、ソ連訪問に出発」「江崎玲於奈、ノーベル物理学賞受賞決定」「政府、石油緊急対策要綱決定。ガソリンスタンドの日曜・祝日休業を実施」など。

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