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【菊池雅之 最新国防ファイル】東西冷戦当時を彷彿とさせる「北演29」 北海道全土が実践的な戦場に (2/2ページ)

 まさに東西冷戦当時を彷彿とさせる演習内容だが、北部方面隊は今回の仮想敵をロシアであるとは一言も言っていない。あくまで「各種事態への対処能力の向上を図る」としている。よって、今回の演習が対中国である可能性は十分にある。

 事実、北部方面隊の各師団・旅団は、「総合近代化師団・旅団」という位置付けとなった。冷戦時代のように、北海道を動かずがっちりと守るだけでなく、侵略事態やテロの脅威など、日本のどこでも駆け付ける態勢を取ると改められた。

 これを受け、海自輸送艦や民間のフェリーを用いて、北海道から九州各地へと展開する訓練も実施している。今年の秋にも同様の転地演習が行われる予定だ。

 宗谷岬から見た青い海は、想定上、沖縄県・与那国島から見た海だったかもしれない。領海を奪われる危機にひんした日本を救うために、北海道の精鋭たちの戦力は必要不可欠だ。

 ■菊池雅之(きくち・まさゆき) フォトジャーナリスト。1975年、東京都生まれ。陸海空自衛隊だけでなく、各国の軍事情勢を取材する。著書に『こんなにスゴイ! 自衛隊の新世代兵器』(竹書房)、『ビジュアルで分かる 自衛隊用語辞典』(双葉社)など。

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