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文政権が李明博氏“狙い撃ち”、不正撲滅の大号令で「政治報復」批判も 検察「ブラックリスト」事件捜査 (1/2ページ)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国検察がこのところ、李明博(イ・ミョンバク)大統領時代に情報機関が政権に批判的な政治家や芸能人に圧力を加える工作をしていたとされる事件の捜査を本格化させている。不正腐敗を撲滅するという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「積弊清算」の号令の下、各機関が始めた調査を受けたものだが、最大野党や保守系世論からは、前大統領の朴槿恵(パク・クネ)被告への糾弾だけでは飽きたらず、前々政権への政治報復が行われていると反発の声が出ている。

 文政権は政権発足後、各省庁・機関内に過去の不正を調査する「積弊清算タスクフォース(作業部会)」を立ち上げ、調査を進めてきた。情報機関、国家情報院は9月、李政権下で元世勲(ウォン・セフン)被告(公選法違反罪などで公判中)が院長を務めていた2009~12年、元被告の指示で、政権に批判的な俳優や映画監督計82人の「ブラックリスト」を作成し、出演できないようテレビ局に圧力を加えていたとする調査内容を公表した。

 国情院は、女優のヌードの合成写真をインターネットに流す工作までしていたという。ネットに誹謗(ひぼう)を拡散させる工作には、主婦や学生ら民間人約3500人を雇い、年間30億ウォン(約2億9千万円)の予算が投じられたとも報じられている。

 元被告が、現与党「共に民主党」所属の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長を「北朝鮮の追従勢力」だと名指しし、保守団体に抗議集会を開かせたり、ネットに非難の書き込みを広めさせたりしていたとも明らかにされた。朴市長は9月中旬、李氏が元被告に指示したとみて、名誉毀損(きそん)罪などで2人を告訴し、検察が捜査を始めた。

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