記事詳細

【ぴいぷる】笑涯研究!バナナの皮でイグ・ノーベル賞受賞の馬渕清資氏「常識覆す瞬間に面白さ」 (3/3ページ)

 「物心ついたころには生物の世界に心を奪われて、野球をしている広場の片隅で、1人だけアリの巣をつついていました。イジメっ子には毛虫を自分の口に入れて撃退していました」

 中学までシマヘビを飼い、高校時代にはオウムと寝食をともにした。

 「まさに変わり者。他人との交流は苦手でしたが、思春期を過ぎたころ、周りの人の幸福感が自分に伝染して楽しくなることに気がつき、高校では率先してパーティー、ゲームを仕切るようになりました。私の提供した何かで皆を幸福にする。それは授賞式のメンタルコントロールの基点になりました」

 バナナの測定実験では、当初、バナナを滑り台に置いてもまったく滑らない。滑るのは踏んだ瞬間という特定の条件の下だけということが分かった。

 「こういった常識が覆るような瞬間に面白さを感じます。昨年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大の大隅良典栄誉教授は、『研究費を取るために“役に立つ研究”と言わされ続けることが、科学をダメにしている』と語ってました。私なりに思ったのは『面白さ』です。面白くない研究の実用性を無理に主張するのではなく、研究者が本当に面白く感じるかどうか、ではないでしょうか」(ペン・鈴木恭平 カメラ・寺河内美奈)

 ■馬渕清資(まぶち・きよし) 1950年11月19日、名古屋市生まれ。66歳。78年、東京工業大学工学部大学院博士課程を修了し、北里大学医学部に。94年に医療衛生学部教授。2016年に名誉教授。趣味のフルートは、奥さんのピアノ伴奏で学会の懇親会などで演奏。テニス肘の研究依頼をきっかけにテニスを始め、いまも週1回はコートに立つ。息子3人もテニス好き。囲碁の師匠は学生時代の指導教官、笹田直先生。「人生の多くの部分に教えをこいました」

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう