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【昭和のことば】二・二六事件でNHKアナが朗読 緊迫原稿がナゼか流行した「今からでも遅くはない」(昭和11年) (1/2ページ)

 人質とともに立て籠もった犯人に向け、警察が拡声器を使った必死の説得が続く。「今からでも遅くはない。銃を捨てて出てきなさい。よしお~(犯人の母親の叫び声)」。昭和中期生まれの筆者にとって、このことばには、こんな印象がある。

 もとはといえば、「二・二六事件」の際のことばだ。戒厳令下の司令部放送室から、反乱を起こした兵士たちに向け、陸軍省新聞班が書いた原稿をNHKアナウンサー中村茂が朗読した。「今からでも決して遅くはないから直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復帰するようにせよ」。クーデターは未遂に終わった。

 この年の主な事件は、「警視庁消防部、救急車を配備。救急呼び出し『119』として、交通事故増加に対処する」「広田弘毅内閣成立」「鉄道省、貨物用D51形蒸気機関車完成」「仲居であった女性が、荒川区の待合で愛人を殺害し、下腹部を切り取る(阿部定事件)」「警視庁、赤バイを白バイに変更」「第11回ベルリン五輪開催」「第1回結核予防国民運動振興週間。この頃、結核患者増加が問題化」「現国会議事堂『帝国議会議事堂』が完成」「ベルリンで、日独防共協定調印」「ワシントン海軍軍縮条約失効」など。

 この年の映画は『人生劇場・青春編』『家族会議』。本は山本有三『真実一路』、坪田譲治『風の中の子供』。江戸川乱歩が『怪人二十面相』を『少年倶楽部』に連載開始。全日本職業野球連盟結成。プロ野球初の対抗試合「巨人対金鯱」が開催された。

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