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【高橋洋一 日本の解き方】商工中金の不正融資のウラに「親方日の丸」体質&天下り ほかの政府系金融機関でも? (1/2ページ)

 政府系金融機関の「商工中金」が、大規模な不正融資を繰り返していたことが明らかになった。その背景はなんだろうか。

 商工中金の不正な融資はおよそ9割の店舗で行われており、まさに組織ぐるみである。不正が行われたのは、景気悪化などで一時的に資金繰りが悪化した中小企業を支援する制度の「危機対応融資」であり、企業の業績が実際よりも悪化しているように書類が改竄(かいざん)されていた。

 「危機対応融資」は、2008年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災などの経済・社会の混乱を「危機」と認定し、日本政策金融公庫を通じて利子の一部(0・2%程度)を国が負担する公的制度である。この危機認定で不正が行われていたというのだが、そもそも危機の定義を広げて必要のない低利融資をばらまいてきた政治にも問題がある。

 筆者は官僚当時、郵政民営化の制度設計を手がけたが、同時に政策金融改革も手がけた。政策金融システム全体からみれば、資金調達部門の郵政(郵貯)と、資金運用部門の政府系金融機関はコインの裏表であり、郵政民営化と政策金融改革は不可分だった。

 郵政民営化は、当時の小泉純一郎首相の金看板であり、政治的には抵抗できない。ところが、郵政民営化が政策金融改革にまで波及すると分かると、政府系金融機関が重要な天下り先である各省庁はにわかに郵政民営化にも非協力になっていった。

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