記事詳細

消えた政権交代の夢 前原氏誤算、希望との共闘不発 (1/3ページ)

 ■「マザー・テレサの心で」小池氏に懇願も

 希望の党代表、小池百合子にとってパリの秋風は冷たかった。

 「問題点は山ほどある。これまで東京都知事選と都議選は『完勝、完勝』だったが、今回は完敗だ」

 テレビ中継で敗因を語る表情に、いつもの笑顔はない。服も緑ではなくダークグレーだった。

 解党・合流という奇策に出た民進党代表の前原誠司の表情はもっとさえなかった。22日夜、民進党本部でテレビ出演を待つその目には何かが光っていた。

 「政治は結果が全て。一度立ち止まり、さまざまな方のご意見を伺う」

 前原は絞り出すようにこう語り、辞意も漏らした。「政権交代」を合言葉に大勝負に出た小池と前原は一体どこでボタンを掛け違えたのか-。

 ■「国政には出ません」

 10月5日昼、東京・新宿の京王プラザホテルの一室で前原と小池は向き合った。ここで前原の淡い期待は打ち砕かれた。

 前原「ぜひ衆院選に出てほしいんです」

 小池「以前からお話ししている通りです。国政には出ません」

 前原は二の句も継げず、こう懇願した。

 「マザー・テレサのように民進党から行った人に寛容な心で接してください」

 希望の党の失速はここから始まったが、前原はこの瞬間まで「小池は最終的に出馬を決断する」と信じ込んでいた。

 これには訳がある。2人が極秘に合流構想を温めていた9月下旬、小池は仲介人を通じて「都知事を辞任する選択肢もある」との意向を伝えていたからだ。直後の9月25日、小池は希望の党の旗揚げを宣言し、自ら代表に就任した。

 「小池さんは勝負に出る気だ。首相指名選挙で小池に一本化すれば政権交代も夢ではない」。そう考えた前原は希望の党への合流に一気にかじを切った。

 だが、小池はもっと打算的だった。「政権交代が確実でない限り、都知事職は投げ出さない」。側近らによると、これが一貫した小池の本音だったという。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう