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金正恩氏肝いり「北朝鮮版AKB」でセコ過ぎるカネ儲け (2/3ページ)

 モランボン楽団自体も海外のエンタメを研究し、取り入れながら、北朝鮮国内ではすっかり飽きられてしまった独特のプロパガンダ芸術(海外にはファンが多いのだが)の枠を超えようとしている。こうした努力・研鑽が実を結んだのか、地方では大人気だ。

 一方、この人気ぶりに目を付けた地方政府が、チケットを買い占め、高額で売りさばいているとRFAは伝える。さしずめ国営のダフ屋行為とも言うべきか。

 新義州(シニジュ)在住のRFAの情報筋は、10月10日の朝鮮労働党創建日に、モランボン楽団、ワンジェサン芸術団、勲功国家合唱団の講演を見に行こうとした。元々は10日間で1日3回(15時、18時、21時)の予定だったが、3日間の追加公演まで行なうほどの人気だった。

 1等席のチケットの公定価格は8000北朝鮮ウォン(約104円)。コメ1キロちょっと分のお手軽さだが、公定価格で買えた人は誰ひとりとしていなかったという。公演を主催する地方政府が、1等席のチケットを買い占め、100元から150元(約1710円~2570円)で売りさばいたからだ。

 15倍から22倍の高値で売りつけられた市民は「庶民のためのライブなのに、地方政府が外貨稼ぎに悪用している」と怒り心頭だ。

 昨年、公演を見たという清津(チョンジン)の情報筋も、「モランボン楽団の公演を良い席で見るには、ダフ屋から高値でチケットを買うしかない」とぼやきつつも、国のすべてのものがヤミ価格で売られているのだからと仕方なさそうに言った。

 RFAの情報筋は、モランボン楽団の楽曲は最高指導者を称えるプロパガンダソングばかりなのは不満だが、歌唱力や踊りが素晴らしい最高の芸術団ということもあり、多少の無理をしてでも見ようとする人は多いと語る。

デイリーNKジャパン
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