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【高橋洋一 日本の解き方】改憲で解散権制約は邪道、民意が反映されず喜ぶのは官僚と一部マスコミだけ (1/2ページ)

 立憲民主党の枝野幸男代表は憲法9条の改正論議について、「したいと言う人がいるなら、そのこと自体は否定できない。その代わりに首相の解散権制約も俎上(そじょう)に載せてもらわないといけない」と述べたという。

 憲法に解散権の制約を盛り込むというのは、結論から言えばかなり筋悪だ。たしかに、外国では解散権に制約を設けている国もなくはない。

 英国は、下院において3分の2以上の賛成により、早期の総選挙を求める動議をした場合、解散できるとされている。かつては首相はいつでも下院の解散を国王に願い出ることができたが、今では議会議決が必要になっている。

 一方、カナダは、首相の助言のもとで総督(英国の君主の名代)がいつでも解散することができる。ただし、日本と同様に上院は解散できない。

 オーストラリアもカナダと類似の制度になっているが、上院も下院と同時に解散できる。フランスでは大統領が首相および両議院議長の意見を聞いた後、下院をいつでも解散できるが、一度解散総選挙をすると1年以内は再度の解散ができない。

 ドイツでは、ナチス台頭の反省から解散は容易にできない。首相の信任投票が否決された場合のみ、連邦議会(下院)が首相の提案に基づいて、大統領によって解散される。各国とも、解散規定は歴史的な事情によって異なっているのだ。

 戦後の内閣の平均在任期間をみると、日本が2年9カ月、英国が3年11カ月、フランスが4年1カ月、ドイツが3年9カ月と、日本は短い。もっとも、任期に対する割合でみると、日本が69%、英国が78%、フランスが82%、ドイツが94%で、日本が突出して短いわけでない。

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