記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】AIでできる銀行の融資業務、仕事は奪われるが人口減の日本にはチャンス (1/2ページ)

 メガバンク3行が、人工知能(AI)やロボットによる自動化を進めるなどして、約3万人分の業務量を減らすと報じられている。

 筆者は銀行の人員減というニュースを聞いても驚かない。というか、よくこれまでやってこられたと驚く。

 実は、筆者は旧大蔵省キャリア官僚としては珍しい経歴を持っている。金融検査官だ。検査官になるのは旧大蔵省キャリアの同期でも1人か2人しかいない。たまたま1990年代前半は銀行の不良債権問題が大変な時期だったので、あまり前例のなかった金融検査官を拝命し、同時に不良債権処理プログラムを企画立案した。

 そのためには実際に銀行の金融検査をしなければいけない。そこで、金融検査の現場をみっちり経験し、1日で100件以上の資産査定を行った。

 資産査定とは、銀行の支店の貸出をチェックするもので、ここで金融検査官に不良債権と指定されるかどうかは、銀行にとって死活問題になる。

 支店長や銀行幹部も必死になって不良債権を否定するが、筆者は財務諸表の数字と確率論で対抗した。

 多くの資産査定をやっているうちに、貸出先企業のバランスシートのどこに着目すれば、貸付金の健全度が示されるか、分かるようになった。要するに貸出先企業の財務状況の分析について、数量的に把握できたのだ。

 筆者のこの論法は新鮮だったようで、多くの銀行の人は面食らっていた。いくら情で訴えられても、データで不良債権、しかも、あと2年以内にどの程度のロスが出るかも予測できた。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう