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【高橋洋一 日本の解き方】安倍首相が要請する賃上げ「3%」の狙い 政策次第で実現可能、左派系マスコミの批判も承知の上か (1/2ページ)

 安倍晋三首相は、来年の春闘をめぐって、経済界に3%の賃上げを求めた。「3%」の持つ意味や、数値を出して経済界に要求した狙いは何か。

 総選挙で安倍首相は、北朝鮮の脅威から国をどのように守るかを訴えたが、雇用では「今や若者がきちんとした職に就けるようになった」とし、民主党政権時代と比べて状況が格段に改善したことを強調した。

 雇用の確保ができれば、あとは賃金の上昇だ。本コラムでは、金融政策で求めるべき失業率の下限を書いたことがある。これには日銀も関心があったらしく、内々に問い合わせがきた。これまで日銀が主張してきた「3%台半ば」が間違っていたことは、現実の数字がそれを既に下回っているから明らかだ。

 日銀はこっそりとこれまでの数字を目立たなくしている。筆者が算出した数字は「2%台半ば」であるが、日銀もあからさまに反論していないので、再計算すればその程度なのだろう。

 本コラムでは、GDP(国内総生産)ギャップによる別アプローチでも、失業率の下限が「2%台半ば」になっていることも示しているので、この数字はかなり図星ではないか。

 9月の完全失業率は2・8%だったが、2%台半ばに近くなると、その半年から1年後に賃金は本格的に上がり始める。

 そうした状況の中、安倍首相は3%の賃上げを経済界に求めたことが話題になっている。本来これは左派政党が行うべきことであるが、安倍政権は金融政策によって雇用を生み出せることを既に知っているので、賃上げ要請も政権発足以来5年連続となる。

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